悉皆(しっかい)とは、着物の染み抜き・洗い張り・仕立て直しなどをまとめて相談できる「着物の総合メンテナンス」です。
東京・中央区で創業100年以上、地域の皆さまや全国のお客様にご信頼いただいてきた悉皆屋(しっかいや)です。悉皆とは、着物の染み抜き・洗い張り・仕立て直し・金彩修復など、着物に関するあらゆるお直しやお手入れを引き受ける相談窓口のこと。当工房では、厚生労働省認可の国家資格「染色補正技能士」が常駐し、一枚一枚を丁寧に仕上げます。
【着物の悉皆屋】
着物の「困った」を解決する悉皆(しっかい)という伝統の知恵。
きもの工房 扇屋では、国家資格・染色補正技能士・和裁技能士・着付け士の職人が常駐し、染み抜き・洗い張り・金彩・刺繍の修復・仕立て直しなど、あらゆる着物のご相談にお応えしています。
「どこに相談すればいいかわからない」「他店で断られた」「思い入れのある着物を次の世代へつなぎたい」そんなお声に、一枚一枚、丁寧に向き合ってまいりました。
当ページでは、悉皆屋(しっかいや)とは何か、実際にご依頼いただくまでの流れ、よくあるご相談内容などを、事例とともにご紹介しています。
安心してご相談いただける着物のかかりつけ窓口として、どうぞお気軽にご相談ください。
- 1. 【着物の悉皆屋】
- 2. 悉皆(しっかい)とは何か?
- 3. 他店で「これ以上は難しい」と言われた着物のご相談について
- 3.1. 安さで失敗しやすい理由
- 3.2. きもの工房扇屋の流れ:テスト → 目標設定 → リスク説明 → 作業
- 4. こんなご相談を多くいただいています(相談事例紹介)
- 4.1. ご相談事例① – お母様の着物にカビと黄変が出てしまった
- 4.2. ご相談事例② – 金彩が剥がれてしまった訪問着
- 4.3. ご相談事例③ – サイズの合わない大島紬
- 5. 私たちが悉皆の相談窓口としてお役に立てる理由
- 5.1. 厚生労働省が認定する技術力(国家資格)
- 5.2. 相談しやすい環境(職人在店・染み抜き見積もり無料)
- 5.3. 一貫体制で対応(海外への発注なし・すべて国内作業)
- 6. 染み抜きを依頼するには
- 7. 悉皆屋の種類と、後悔しないお店選びのポイント
- 7.1. 呉服店型の悉皆屋(着物販売店系)の特徴と選び方
- 7.2. 職人が直接対応する悉皆屋(作業系悉皆)の特徴と選び方
- 8. 【まとめ】着物の悉皆屋を選ぶ際のポイント
悉皆(しっかい)とは何か?
悉皆という言葉は一般的に聞き慣れないかもしれません、着物の世界では昔から使われていました。
それでは、着物業界の悉皆屋についてご説明します。
文字としては『悉く(ことごとく)』『皆(みな)』と書かれ『しっかい』と読みます。
「悉皆(しっかい)屋」とは、着物ユーザーにとっての相談窓口です。
「染み抜きをしてほしい」「サイズ直しをしたい」「染め替えや家紋の入れ替えをお願いしたい」など、着物に関するさまざまなご要望を伺い、それぞれの専門職人へと橋渡しを行います。
つまり、豊富な知識をもとに最適な処置方法を提案・手配する着物のプロデューサーとも言えます。
また、もう一つの役割として、悉皆屋は業者間の調整役も担っています。
呉服店や問屋、染め屋の間に立ち、商品の手配から催事の取りまとめまでを行い、業界内の流通や企画を支えています。
このように、着物のメンテナンス・修復・仕立て直しなど販売以外の一連のサービスを含めて「悉皆」と呼び、その中核を担うのが悉皆屋です。
悉皆屋の存在によって、着物が世代を超えて受け継がれ、今もなお日常の中で美しく着られ続けています。
他店で「これ以上は難しい」と言われた着物のご相談について
「他店で断られてしまった」「一度お願いしたけれど仕上がりに不満」「大切な着物なので諦めきれない」「落ちないかもしれません」「これ以上は危険です」と言われ、諦めかけてからご相談いただくケースが増えています。
こうしたご相談は、実際に店頭でもよく伺います。
着物の染み抜きや修復は、汚れの種類・生地・染料・加工(金彩や刺繍)・経年変化によって、最適な手順が大きく変わります。
同じ“染み”でも、工程が違うと仕上がりの結果が変わるため、当工房では、まず状態を拝見し、必要に応じて小さくテストを行ったうえで、現実的な到達点(どこまで目立たなくできるか)と、起こり得るリスクを丁寧にお伝えしています。
まずは状態確認からお気軽にご相談ください。
安さで失敗しやすい理由
価格の高い・安いで一概に判断できませんが、短時間・一律工程になりやすい場合、結果が安定しないことがあります。
- 事前テスト不足:目立たない場所で反応を見ずに進めると、生地を痛めたり、色が動いたり、通常落とすことが出来る染み抜きが困難になる事があります。
- 工程の順番が合っていない:薬品の使用順序を誤ると落とせなくなる可能性があります。また先に全体洗い・プレス等をすると、アイロンなどの熱で汚れが固定して難しくなることがあります。
- テスト不足:素材・染料・金彩・刺繍・箔などの影響で、反応が変わる場合があります。
- 急ぎ作業での判断不足:時間を優先すると、最適な手段が選びにくい場合があります。
- 色移りの固定:不適切な処置で、色移りが定着してしまうと改善が難しくなることがあります。
- 説明不足:リスクや“目標ライン(どこまで目立たなくできるか)”の合意がないと、納得しにくい結果になりがちです
※すべての店舗が当てはまる、という意味ではなく「失敗が起きやすい条件」として整理しています。
きもの工房扇屋の流れ:テスト → 目標設定 → リスク説明 → 作業
ご依頼の前に「どこまで直せそうか」を見える形にするため、以下の手順で進めます。(お見積もり時にテストが必要でない場合もあります。)
- 状態確認:シミの種類、広がり、素材、染料、加工(金彩・刺繍等)を確認
- 必要に応じてテスト:目立たない箇所で反応を確認
- 目標設定:完全除去/目立たなくする/風合い優先など、方針を共有
- リスク説明とお見積り:起こり得る色変化・生地負担なども含めてご説明
- 作業:適切な工程で処置し、必要に応じて洗い張り・仕立て直しへ
「まずは相談だけ」でも大丈夫です。大切な着物ほど、焦らず安全な手順で進めることが結果につながります。
✅ すぐ相談したい方:写真をLINEで送って「事前見積もり」
✅ まず状態だけ確認したい方:着物の状態確認サービス(有料)
こんなご相談を多くいただいています(相談事例紹介)
ご相談事例① – お母様の着物にカビと黄変が出てしまった
洗い張りと染み抜き、部分的な補色と金彩加工により綺麗に再生し、お嬢様の成人式にご着用されました。
洗い張りを行う事で、反物(一枚の長い布の状態)に戻すため、サイズの変更も可能となりました。

カビによる変色と色補正
ご相談事例② – 金彩が剥がれてしまった訪問着
金彩部分の修復加工を行い、見た目がよみがえりました。

ご相談事例③ – サイズの合わない大島紬
長年ご愛用の大島紬が体型に合わなくなってきたとのことで、
裄(ゆき)・身丈・袖丈をお客様の体型に合わせて調整し、
再仕立てをご提案しました。
また、仕立て直しの過程で、裏地(胴裏)を留めている木綿糸が経年劣化により変色しているのを確認。
このまま放置すると、大島紬本体の生地にも影響を及ぼす恐れがありました。
そこで、着物を解いて反物に戻し、水洗いを行う「洗い張り」も同時にご案内。
汚れや変色を落とすとともに、生地のリフレッシュと安全性も確保しました。

私たちが悉皆の相談窓口としてお役に立てる理由
厚生労働省が認定する技術力(国家資格)
当工房には、着物の修復や仕立てに関する国家資格を有する職人が在籍しております。
具体的には、「染色補正技能士」「和裁技能士」「着付け技能士」といった、
厚生労働省が認定する高度な技能を持つ技術者が、各分野のプロとして日々作業にあたっています。
特に「染色補正技能士」は、着物のシミ抜きや色補正、友禅の修復や金彩加工の修正に関する専門技術の国家資格であり、
長年の実務経験と試験を経て取得するものです。
修復が難しいとされる繊細な素材や、古い時代の技法が使われた着物にも対応できるため、
他店では難しいと断られたご相談も、ぜひ一度お寄せください。
相談しやすい環境(職人在店・染み抜き見積もり無料)
当工房には、国家資格を持つ染み抜き職人が常駐しております。
店頭にて直接ご相談いただけるため、着物の状態をその場で拝見し、
素材や汚れの種類に応じた最適な処置方法をご提案できます。
染み抜きや修復のお見積もりは無料で承っております。
「これは落ちるの?」「費用はどのくらい?」といった不安やご質問も、
どうぞ遠慮なくお尋ねください。
また、仕上がりや予算に応じた複数の選択肢をご提示するなど、
初めての方でも安心してご依頼いただける体制を整えております。
当工房では、「まずは見てもらいたい」「話を聞いてから決めたい」等、染み抜きなどの作業を一切依頼しなくても『着物の状態確認だけ』専門家に相談出来るサービスを行っております。(有料)
一貫体制で対応(海外への発注なし・すべて国内作業)
当工房でお預かりした着物は、すべて国内の職人が丁寧に対応しております。
染み抜き、洗い張り、仕立て直し、金彩や刺繍の補正に至るまで、
各工程を信頼のおける国内職人ネットワークと連携しながら一貫して管理しています。
現在一部の業者では、コスト削減のため海外へ作業を外注するケースも多くありますが、
当工房ではそのような海外委託は一切行っておりません。
素材や伝統技法を正しく理解する日本国内の職人が対応することで、
お客様の大切な着物を、安心してお預けいただける体制を整えております。
染み抜きを依頼するには
「着物にシミがついたら、悉皆屋(しっかいや)へ」と耳にすることが増えてきました。
たしかに間違いではありませんが、実際にシミを抜くのは“悉皆屋”そのものではなく、専門の職人です。
悉皆屋の役割は、お客様からお預かりした着物を見立て、必要に応じて染み抜き職人・仕立て職人など、専門分野の職人に仕事を振り分ける“仲介者”です。
つまり、シミのある着物をどうするかを判断し、適切な職人へつなぐ「相談窓口」のような存在です。
一方、実際に染み抜きの処置を行う業種は「染色補正業」と呼ばれ、薬品や染料を用いる高度な作業を伴うため、国家資格(染色補正技能士)が設けられています。
悉皆屋の種類と、後悔しないお店選びのポイント
悉皆屋(しっかいや)にはいくつかのタイプがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。どの悉皆屋を選ぶかによって、仕上がりや料金、相談のしやすさが大きく変わります。
ここでは代表的な2つの種類をご紹介し、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。
呉服店型の悉皆屋(着物販売店系)の特徴と選び方
呉服店型の悉皆屋は、着物販売を行う呉服店が窓口となり、染み抜きや仕立て直しなどの加工を外注先に依頼する形態です。問屋や染め屋、和裁士など幅広いネットワークを持ち、着物全般に関する知識が豊富です。
- メリット:着物に合う帯や小物など、トータルコーディネートの相談ができる/新しい着物やリメイクの提案も受けられる
- デメリット:実際の作業は外注となるため、納期や料金が不明確な場合がある/お手入れのみを希望しても販売提案を受けることがある
選び方のポイント:呉服店型の悉皆屋を選ぶ際は、外注先の職人の技術レベルや、料金・納期の明確さを確認しましょう。コーディネート提案や新しい着物購入も視野に入れている方に向いています。
職人が直接対応する悉皆屋(作業系悉皆)の特徴と選び方
職人型の悉皆屋は、実際に染み抜き・仕立て・洗い張りなどの加工を自ら行う職人が窓口となる形態です。「染色補正技能士」「和裁士」「着付師」「洗い張り職人」などの専門技能を持つ職人が、相談から作業まで一貫して対応します。
- メリット:直接職人に相談できるため、技術的なアドバイスがもらえる/料金・納期が明確で、作業内容を直接説明してもらえる
- デメリット:着物販売在庫が少ないため、その場で購入できないことがある(必要に応じて問屋からの手配は可能)
選び方のポイント:職人型の悉皆屋を選ぶ場合は、得意とする加工技術や過去の事例を確認すると安心です。大切な着物のメンテナンスや修復を重視する方に特におすすめです。
【まとめ】着物の悉皆屋を選ぶ際のポイント
- 着物の購入や買い替えを検討している場合は、呉服店型の悉皆屋が便利です。
- 具体的な修復やメンテナンスを希望する場合は、実際に作業を行う職人のいる悉皆屋がおすすめです。

サービス一覧
きもの工房 扇屋で主に取り扱っている着物修復サービスの一覧です。染み抜き、洗い張り、サイズ変更などお客様のご要望を伺い、お着物に最適なお手入れをご提案いたします。お気軽にお問合わせ下さい。

