【染色補正塾】
染色補正塾の特徴
技術習得の判断は、国家検定試験の厳格な合格基準を取り入れてます。
染色補正塾修了証の発行は行なっておらず、検定試験に合格する事で、技術習得の目安になります。
独自に発行される民間資格とは異なり、国家検定試験は社会的信用が高い資格となります。
染色(染色補正作業)職種は、染み抜き業界唯一の国家検定です。
授業の進め方と技術習得方法
1、各授業それぞれの課題の攻略方法を解説した後、実際の作業を見学します。
2、見学した内容を受講者により作業を行なっていただきます。作業の状態によりアドバイスや改善点お伝えします。
3、毎回、授業内容に応じてレポートと宿題の提出がございます。
以上の、各プログラムを攻略する事で確実に技術習得が可能となります。
令和6年度技能検定試験(東京会場)
実技試験 2024年8月3・4日(予定)
学科試験 2024年8月18日
合格発表 2024年10月4日
技能検定試験合格率100%
(染色補正塾開催以来2級合格率)
令和3年度技能検定試験合格実績
1級技能士学科試験合格【 2名 】
1級技能士実技試験合格【 1名 】
2級技能士学科試験合格【 2名 】
2級技能士実技試験合格【 2名 】
染色補正塾にお申込みをご検討されている方へ
現在、受講者は各々の目標、課題に向かい勉強に励んでおります。
今期、染色補正塾の開催は2024年4月より1年間のプログラムとなりました。
染色補正塾には選考がございます。
本ページをご参照の上、受講希望の方はエントリーシートを提出下さい。
詳しくはお問い合わせ下さい。
染色補正とは
【読み:せんしょくほせい】
染色補正とは、着物の染色工程で発生するトラブルを修正する技術です。
主な作業として[染料飛び(不要な染料染み)・友禅の滲み・汚れ落とし・紋抜き・紋様消し・柄の復元・色やけ直し]があります。
着物製作の工程において最終調整を行う役割としてなくてはならない存在です。
染色補正技能士は、厚生労働省が認定する日本で唯一の染み抜き・着物を直す国家資格です。
近年の合格率は非常に低く30%程度となっており、難易度が高い試験です。
染色補正の歴史
京都御所の衣裳手入れを行う『御手入司』と言われ、享保年間頃と云い伝えられ、門外不出として永く継承されてきた技術です。
幾久屋・桔梗屋と呼ばれる流派があり、幾久屋新宮家は享保14年(1729年)創業、桔梗屋山田家は文化2年(1805年)創業と記録にあります。
御手入司、呉服調整業、現在の染色補正業に名称は変わりました。
きもの工房 扇屋の家田貴之は幾久屋系統となります。
「染色補正塾」の内容について
染色補正塾とは着物をはじめとする絹(シルク)製品の修復に必要な専門的知識や技術を得ることが出来ます。
多種あるシミ抜きや修復の方法についての説明に加え、作業工程の組み立てについての考え方を学ぶ事ができます。
一般的に染色補正を専門とする店舗で、5年程学び身につける技術を、1年で学ぶプログラムです。
材料の購入方法や接客アドバイス、価格設定などコンサルティングを含む授業です。
これから、着物修復業、悉皆業、和装業、クリーニング業等の技術者を目指される方向けのプログラムです。
染色補正(基礎・応用クラス)には、それぞれ技能検定試験の対策講座も含まれます。
※パンフレットについて
染色補正塾の概要や募集要項等について記載したパンフレットや冊子等はございません。
基本的には染色補正を生業としたい方向けに開講しているものであり、カリキュラムには技術のみならず受講者個人の事情に応じたコンサルティングも含むためです。
授業内容を一部紹介
・三品改良・・・使用状況に応じた調合方法
・種類別染み抜き方法・・・油性マジック、墨、卵白、すき焼き等のシミ抜き方法
・作業環境・・・作業効率の上がる、机、道具の配置方法
・低価格で作るバキューム台・・・多種多様な形で製作可能なバキューム代の作成方法(2万円未満から可能)
・染料の準備・・・染料や薬品などの購入店舗の紹介。染料の性質、保管方法等、調合方法や濃度
・染色補正の色合わせ・・・染み抜きにより抜けた色を復元する方法、色相環とトーンから補色を立体でイメージする方法
・エアーブラシについて・・・染色補正で使用するエアーブラシ、コンプレッサーのセティングから使用方法
・超音波洗浄機の使用方・・・ソノフラッシュを使用し生地を痛めない洗浄方法
・固まった蛋白質を含む染み抜き・・・加熱により固まった蛋白質の除去方法や染み抜きの手順方法
・黄変の染み抜き・・・経年による変色、薬品による変色の対処法
・金彩加工・・・金材の紹介、金彩用バインダーの種類と使用方から修復方法
・お預かり時の対応・・・クレームの発生しない接客時の注意点や契約書の制作方法等
・その他、実際の着物を使用し修復方法をお伝えします。教材の着物は教室に用意してあります。
受講生の持ち込まれた着物を直すこともございます。
染色補正(基礎・応用クラス)月2回・・・1年制(各約4時間)
短期間での技術習得が可能な理由
受講者に合わせた完全少人数制指導と成長できるプログラム
染色補正塾は限定2名迄の完全少人数制指導をおこなっております。作業内容の解説と実演を行い、実習と宿題を繰り返します。未経験者の方でも短期間での技術修得が可能です。技術講習 、解説、経営及び技術相談 、安全・防災に配慮した技術環境など幅広く学ぶことが出来ます。
技術修得の目標設定を明確にし、効果を実感
修得すべき修復技術の範囲は幅広いため、先ず何を目標として学ぶべきかを提案いたします。指定課題の攻略法を伝授し、着物の生地を使用することで実践的な学習が可能です。
反復練習により技術習得が可能となり習得効果を実感できます。
国家検定試験の対策について
試験課題の内容に沿ったプログラムを用意、ポイントの解説により必要な作業を的確に行うことが可能です。
検定試験には、1級・2級があり、それぞれに実技試験と学科試験があります。
染色補正塾受講者は検定試験の合格率が高いのも特徴です。
講師の紹介と実績
講師は主にきもの工房 扇屋代表の家田貴之が務めます。1990年に染色補正業界に入り、1997年一級染色補正補正技能士の資格を取得、東京都知事より認定された職業訓練指導員の資格を保有、講師歴として20年以上のキャリアがあります。技能グランプリ、汚れ落とし(染み抜き)部門1位(2回)を受賞。2000年には東京都知事賞を受賞。技能検定委員や東京都染色補正しみぬき組合専務理事等の経験を得て現在に至ります。
受講条件について
専門的知識や技術を短期間で得る為に、毎回の授業には宿題があり、職場や自宅にて作業可能な環境が必要となります。
超音波洗浄機やコンプレッサー・エアーブラシなどの用意が可能な方。
薬品や染料、筆、ブラシなどの染色補正に必要な道具を揃える事が可能な方。(染色補正塾の受講生には、薬品や道具の仕入れ先等の紹介を行っております。)
エントリーシート・面接による試験があり合格された方のみ受講可能
○材料費・・・ソノフラッシュ、コンプレッサー、エアーブラシ、バキューム、薬品、筆(刷毛)等の染色補正に必要とされる道具が必要となります。新品や中古品で揃えられる方や、家業としてもともと家に有る等により費用が異なりますが、全て購入される場合受講費の他別途30〜60万円程の材料費が必要となります。材料購入店舗は紹介いたします。
○検定試験受験費用(実費)・・・学科、実技試験、試験用課題の購入費(未定)
2022年度の授業プログラムについて(一例)
「基礎クラス」
染色補正の技術を習得する上で先ず習得すべき必修プログラムです。
道具の使い方、薬品の調合、種類別染み抜き方法、染料の使い方のほか、仕入れや接客などのアドバイスを含む内容となっています。
基礎クラス終了後には、二級技能士同等レベルの技術を習得することが可能です。
二級技能検定試験(学科・実技)・コンサルティングを含む内容です。
○受講資格・・・染色補正技能士の資格をお持ちでない方でも受講可能。
※2級技能士検定試験対策を含む
「応用クラス」
着物を使用しての授業が主となり、それぞれに合わせた道具の使い方、薬品の調合、種類別染み抜き方法、染料の使い方など基礎クラスの内容以上の難しい技術を学ぶことが出来ます。
一級染色補正技能士同等レベルの技術を習得することが可能です。
◯受講資格・・二級染色補正技能士。実務経験6年以上の方。二級技能士を取得されていない方が受講を希望される場合は、入塾テストがございます。
※1級技能士検定試験対策を含む
「研究クラス」
一級染色補正技能士以上の技術を持ち、さらなる技術向上を目指される方向けのクラスです。
一級染色補正技能士を取得された方、きもの工房 扇屋の応用クラスを受講された方のみ受講可能です。
着物の修復全般、コンサルティングを含む内容となっております。
染色補正塾「技能検定試験対策クラス」
技能試験対策に特化した授業内容です。日常の染色補正作業には超音波洗浄機やエアーブラシを使用しますが、技能試験には使用出来ません。ブラシや霧吹きなど昔からある道具を使用してのプログラムです。
徹底的な道具の使用方法を学び、染色補正の染料選び調合の基礎を学ぶことができます。
8回の短期集中対策コースです。
毎年3月受付・5月開催予定(詳しくはお問い合わせ下さい)
染色補正の技法による事例
サービス一覧
きもの工房 扇屋で主に取り扱っている着物修復サービスの一覧です。染み抜き、洗い張り、サイズ変更などお客様のご要望を伺い、お着物に最適なお手入れをご提案いたします。お気軽にお問合わせ下さい。