【和裁について】
きもの工房 扇屋の和裁についてご説明いたします。
和裁とは
「和裁」とは和服裁縫とも呼ばれ和服(着物)を製作する技術をいいます。
着物製作の過程では、染め上がった布を着物の形に創り上げる最終工程となります。
和裁の工程は、一枚約12m(着物の種類により長さの違いがある)の長い生地から『地直し』という生地の布目を整える作業を行い、『裁断(本裁ち)』を行った後、着物の形へ縫製します。その際、お伺いしたお客様のサイズに合わせることや、着物の柄合わせ等を調整し立体的な形へと創り上げていきます。
一連の作業を全て手縫で縫い合わせ、余った布の多くも切り落とさずに縫い込む様に仕立てます。
当工房には、厚生労働省が認定する「一級和裁技能士」が在籍しております。
サイズについてのご相談も承っておりますのでお気軽にご相談ください。
着物のサイズ変更方法は?
譲り受けた着物や、体型の変化により着物のサイズ変更をご希望の場合に、部分的なサイズ修正から、全体のサイズ変更まで承っております。
サイズ変更を行う際の注意点とお勧めの作業についてご説明します。
袖のサイズ直し
裄直しについて
裄とは、首の付け根から肩を通り手首までの長さをいい、裄直しは着物と裄の長さが合わない場合に行う作業です。
ご自分の裄の長さより着物が長い(大きい)場合の作業は、裄詰めといい、袖付け部分を一度解き縫い合わせて調整します。
このサイズを縮める作業では、着物の袖付け周辺にある汚れや色焼けを気にせず行うことが出来る場合が多いです。
逆に、ご自分の裄の長さより着物が短い(小さい)場合には注意が必要です。
仕立て上げられて間もない着物であれば汚れや色やけが見られます。
古い着物の場合、解いてみると殆どの場合汚れや色焼けが目立ってきます。
裄を広げる場合、袖をはずした(解いた)状態で前もって汚れを落とし、色焼けを綺麗にしておくことをお勧めします。
この作業の汚れ落としは水を使用して洗浄することで解消出来ることと、色焼けを直す際にも染料を使用し、しっかり蒸して色を定着させることで今後のメンテナンスを楽にすることができます。
当工房では、前の縫い跡が線となって目立たないように、袖付けを解いた際に汚れや色焼けがありましたら、お客様にご連絡を差し上げ、作業工程のご相談を行います。
袖丈直し
袖丈とは、袖山(手を水平に伸ばした際の手と着物が触れる折れ目部分)から袖の下までの上下の長さをいいます。
着用する襦袢とサイズが合わないと着用時に襦袢が出てきてしまったり、袖の中で襦袢袖が丸まったりしてしまいます。
裄直しと同様に、袖丈を短くする際は問題なく作業を行うことが出来ますが、袖丈を伸ばす作業は袖底(袖の丸みから下部分)が擦れて傷んでいることがあります。
解いて作業を行う前に、状態の確認を行うことをお勧めします。
当工房へお持ち込み頂きましたらその場で拝見することも可能です。
また、縫込みの中にどのくらいの長さの生地があるかもチェックが必要です。
作業としては『袖丈詰め』『袖丈出し』共に、袖底部分を解き、袖丈詰めの場合は生地を切り落とすかのご相談を行い、縫い詰めます。
袖丈出しの場合は、裄出しと同様汚れや色焼けが目立たないよう適宜染み抜きなどをして自然な仕上がりとなるよう作業を進めていきます。
着物全体のサイズ直し
着物の幅の変更となると、着物を全て解き仕立て直しをすることとほぼ工程が変わりません。
着物の幅を出す際は、裄直し(広げる)場合と同じ様に、汚れや・色焼けがある場合が多いです。
この場合は、『洗い張り』の作業を同時に行うことをお勧めします。
裏生地の交換も同様に洗い張りをお勧めします。
和裁の検品作業
和裁の作業が完了し、着物全体の仕上がりを確認するため曲がらない棒に吊り下げ、縫製全体の状態を確認します。
当然の事ですが、針の混入は危険ですので、検針機を使用して針が混入していないことを再確認します。
最後に畳紙で梱包しご納品となります。
和裁の料金
和裁料金 | 料金(消費税込み) |
留袖 色留袖 | 総比翼付き88,000円 |
振袖 | 通常 60,500円 総絞り66,000円 |
訪問着 | 50,600円 |
附下げ | 47,300円 |
色無地 | 36,300円〜 |
サービス一覧
きもの工房 扇屋で主に取り扱っている着物修復サービスの一覧です。染み抜き、洗い張り、サイズ変更などお客様のご要望を伺い、お着物に最適なお手入れをご提案いたします。お気軽にお問合わせ下さい。