着物クリーニングの基本(丸洗い=着物専門ドライクリーニング)
石油系溶剤を使用し、着物を解かずに仕立て上がりのまま洗う洗い方です。
「一度着ただけだけど、しまう前にきれいにしたい」
「久しぶりに出したら、古いにおい・カビっぽさが気になる」
「汗ジミが不安。クリーニングだけで大丈夫?」
着物のクリーニングは、汚れの種類(油汚れ/汗/カビ・におい/古い変色)によって最適な方法が変わります。
きもの工房 扇屋では、丸洗い(着物専門ドライクリーニング)を軸に、必要に応じて汗洗い(部分水洗い)や高濃度オゾン消臭を組み合わせてご提案します。
まずは写真でのご相談も可能です。東京(中央区)/来店・配送対応。
こんなお悩みに対応します
- 食事・皮脂などの油性汚れが気になる
- 着用後の汗(脇・背中・帯下)が心配
- タンスの湿気で古いにおい/カビ臭がついた
- セルフケアしたベンジンの輪じみが取れない
- 長期間仕舞われて、余分なシワがついてしまった
結論:
油汚れ中心なら「丸洗い」、汗が心配なら「汗洗い」、においが残る場合は「オゾン消臭」が効果的です。
状態に合わせて最適な工程をご提案します。
動画でわかる:着物を洗う3つの方法(部分洗い・丸洗い・洗い張り)
着物の汚れは、目に見えなくても汗や皮脂として確実に蓄積します。
この動画では 〈部分洗い〉〈丸洗い(ドライ/水洗い)〉〈洗い張り〉 の違いを、メリット・デメリットとおすすめシーンまでまとめて解説しています。
- 0:33 部分洗い:ベンジンで日常ケア(ただし輪ジミ等は注意)
- 1:14 丸洗い:油性汚れ中心に(汗は残りやすい)
- 4:26 洗い張り:反物に戻す本格再生(広範囲の不具合に)
- 5:24 まとめ:保管前のお手入れのコツ
扇屋の「着物クリーニング」が安心な理由
1)着物を傷めにくいよう、生地目を整えながら手作業で前処理
きもの工房扇屋の丸洗いは、着物を傷めないように生地目を整え、汚れた部分を手作業で洗浄した上で、ドライクリーニングを行います。また、染み抜きが必要な場合は、染み抜きの工程が終了し、最終的にドライクリーニング溶剤で洗い流す作業工程を行っています。
2)殺菌・消臭効果の高い「オゾン」を活かしたドライ洗浄
ドライ溶剤にオゾンを溶け込ませ、洗浄と同時に消臭・殺菌面にも配慮します。
丸洗い後もにおいが残る場合は、高濃度オゾンで追加消臭も可能です。
食品の殺菌等にも使用されるO3(オゾン)は、カビや尿素の分解に効果を発揮し残留しません。当工房の丸洗いは基本的にオゾンを混ぜた溶剤を使用して洗っています。しかし、着物の染料の中にはオゾンと反応を起こし染料が滲み出るものがあります。そのため、オゾンを使用しない機械と2台を使い分けて作業しております。
3)一番大事な「溶剤管理」を徹底(色泣き・風合いのリスク低減へ)
丸洗いで重要なのはドライ溶剤の管理です。
水分や石鹸分を含んだ溶剤で洗うと、色泣きや仕立てが狂う可能性があります。当工房では機械内の水分排出に配慮し、洗剤を入れずに洗う運用を行っています。
また、汚れた溶剤で洗うと、落としたはずの汚れが再び着物に移ってしまいます。(逆汚染と呼ばれる状態です)そのため、同じ溶剤の連続使用は行いません。使用する溶剤やその配合にも配慮しております。
ドライ溶剤の中には溶解力が強く着物生地に負担を掛け弱らせてしまうものもあります。また、丸洗いをした後にドライクリーニング特有の臭いが残るものもあります。当工房では、さまざまな種類がある溶剤の中でも着物に合う最高品質のものを使用しています。
溶剤には数多く種類があり、その原価格は1Lあたり93円~183円と幅があります。
その違いは、丸洗い後の独特の臭いです。独特の匂いが着物に残っていたら、それは着物から溶剤が完全に抜け切っていないということですので、安い溶剤を使用している可能性があります。当工房では0.1の最上クラス溶剤を使用しておりますので、丸洗い後の臭いは殆どありません。

4)乾燥方法・仕立てがくるう可能性の回避
乾燥はドラム式乾燥機を使用せず、室内(暗室)にて着物用ハンガーを使用し行います。また、着物の染料はとてもデリケートですので、天日干しすることにより変色する可能性が高まりますが、コストがかからないという利点があるため、天日乾しに頼る業者もあります。きもの工房扇屋の丸洗いは、光を遮断した暗室内で、32~33℃で一定に温度管理した状態で自然乾燥させています。

「丸洗いで落ちるもの/落ちにくいもの」
着物クリーニングの相談で多いのが、「丸洗いだけで大丈夫?」という点です。
結論として、丸洗いは万能ではありません。汚れの状態によって、追加工程が必要です。
丸洗いが得意とするもの
- 皮脂・食べこぼしなどの油性汚れ
- 全体のくすみ、軽いにおい
- 「洗い張りほどのコストはかけたくない」季節のお手入れ
追加提案になりやすいケース
- 汗が原因の黄ばみ・輪ジミが心配 → 汗洗い(部分水洗い)を併用
- カビ臭・湿気臭が強い → 丸洗い+必要によりオゾン消臭
- カビが広範囲/縫い込みまで及ぶ・古い変色がある → 状態により別工程(例:洗い張り等)をご提案
- 白い点々・カビ臭・黄変の判断は、着物のカビ取りページで詳しく解説しています。
料金の目安
※状態・点数により前後します。正式なお見積もりは状態確認後にご案内します。
丸洗い(着物クリーニング)+仕上げ(税込)
- 留袖・色留袖・振袖:12,100円
- 訪問着・付下げ・無地:8,800円
- 長羽織・羽織・道行:8,250円
- 長コート・雨コート・無地・小紋・紬(大島・結城)・喪服・袋帯:7,700円
- 長襦袢・名古屋帯:7,150円
汗洗い(税込)
汗が心配な方は、丸洗いと合わせて汗洗い(部分水洗い)をおすすめします。
汗は99%が水分と言われています。その他塩分や尿素なども含まれています。当工房の汗洗いは、超音波洗浄機を使用し、石鹸と水で生地の奥から叩き出すように洗います。よく、汗染みは霧を吹いて乾いたタオルで吸い取ると良いと言われることがありますが、この方法では完全に汗を洗うことができず残留して、数年後大きな黄色い輪染みとして浮かび上がります。
- 1箇所:3,300円
- 両脇:6,600円

納期の目安
2週間〜4週間
納期は、品物の種類・混雑状況・追加工程(シミ/汗洗い/消臭/カビなど)で変わります。
着用日が決まっている場合はお問い合わせください。納期に合わせた作業内容をご案内します。
ご依頼の流れ(来店/配送)
- 写真で相談(LINE)または電話・フォーム
- 状態確認 → 概算のご案内
- 来店(予約優先)または配送
- 作業(丸洗い+必要に応じた作業のご案内)
- 仕上がりのご連絡 → 納品
よくある質問(FAQ)
Q. 着物クリーニングは「丸洗い=ドライ」だけで大丈夫?
A. 油性汚れ中心なら丸洗いが適しています。シミや汗、カビ臭が強い場合は、部分的な染み抜きや水洗い・オゾン消臭などの併用をご提案します。
Q. 雨に濡れた着物はクリーニングで綺麗になりますか?
A. クリーニングは石油系の溶剤ですので、水のシミには殆ど効果はありません。着物の全体が濡れてしまった場合は洗い張りをお勧めする場合がございます。
Q. 汗のシミはクリーニングで完全に落とせますか?
A. 汗の成分は主に水分ですので、クリーニングの石油系の溶剤では除去できません。部分的に超音波洗浄機を使用して生地から抽出し洗浄する作業をお勧めしています。
Q. 汗抜き(汗洗い)はどの部分に必要?
A. 脇・背中・帯下など汗を吸いやすい箇所におすすめです。
Q. カビ臭いのですが、丸洗いで取れますか?
A. 軽度なら改善することがありますが、残る場合は高濃度オゾンによる消臭が可能です。
Q. 長襦袢や帯もクリーニングできますか?
A. 可能です。素材や状態により方法が変わるため、写真で確認のうえご案内します。
Q. 古い黄ばみ(黄変)は丸洗いで落ちますか?
A. 丸洗いだけでは難しく、染み抜きの工程をご提案することがあります。
Q. カビが“点々”と見える場合も丸洗いで大丈夫?
A. 軽度なら改善することがありますが、範囲や状態により追加工程をご提案します。
Q. 料金は先に分かりますか?
A. 写真で概算をご案内できます。状態により工程が変わるため、最終金額は確認後となります。
Q. 急ぎ(着用日が近い)でも間に合いますか?
A. まず着用日をお知らせください。内容を調整してご提案します。
まとめ
大切なお着物ほど、自己判断での処置よりも、状態に合った工程選びが仕上がりを左右します。
きもの工房扇屋では、溶剤管理を徹底した丸洗いを軸に、汗・におい・状態に合わせて最適なクリーニングをご提案します。
振袖や留袖など着用頻度の低い着物は、染み抜きと合わせて丸洗いをしてから保管するのがお勧めです。





