ベンジンで着物の衿洗い・基本編(着物チョコッと雑学・YouTube)

着物の衿や袖口は、皮脂やファンデーション汚れがつきやすい部分です。そんな悩みを解消する方法として、「ベンジン」を使った洗浄方法があります。本記事では、動画「ベンジンで着物の衿洗い・基本編」で紹介した内容を詳しく解説します。安全で効果的に作業を行うためのポイントや注意点をしっかり学びましょう。

ベンジンの特徴と使用時の注意点

ベンジンは石油系溶剤で、油性の汚れを効果的に落とせる一方、引火性が高く取り扱いに注意が必要です。

使用時のポイントは以下の通りです。

  • 換気:必ず窓を開け、扇風機を使用して効率的に換気しましょう。
  • 火気厳禁:絶対に下記の使用は行わないでください。隣の部屋でも気化したベンジンが流れていく可能性がありますので火を使わないこと。
  • 手荒れ対策:ニトリル手袋を着用。
  • 安全な環境を整え、ベンジンの使用上の注意を守って作業を行いましょう。
ベンジンの写真

作業机の準備と注意点

ベンジン使用時、机の塗装や色落ちが着物に影響を与える場合があります。

初めて使用する机では、以下を確認してください

  • 事前テスト:机の裏側や目立たない部分で色落ちをチェック。
  • 清掃:水拭きとベンジンで机をきれいに拭く。
机の絵

ブラシ選びと正しい使い方

馬毛(うまげ)のブラシは、繊細な着物に最適です。ポイント:

  • 持ち方:鉛筆を持つようにしっかり持つ。
  • 使い方:生地目に沿って素早く動かす。
  • 補助具:ラップの芯を使うと作業がしやすくなります。
植物系パキンブラシと馬毛ブラシ

晒しを使った洗浄の工夫

晒しは余分なベンジンの除去に役立ちます。

2枚を使い分け、1枚は手のひらにサイズに小さく畳み、もう1枚は衿の下に敷いて汚れを吸収するために使用します。

どちらの晒しも、しわにならないように使用しましょう。

使用後は洗剤で洗い、乾燥させましょう。

漂白剤や柔軟剤を使わずに洗濯してください。

畳んだ晒しの写真

霧吹きで輪ジミを防ぐ

霧吹きは、ベンジンを均一に広げるために便利です。

自作も可能です。

霧吹きの工作動画は、衿袖口の洗い方動画の次にアップ予定です。

  • 均等に噴霧:濡れている部分と乾いている部分の境界をぼかす。
  • 練習:初めての使用時は、出にくいかと思いますが、練習を重ねるとちゃんと霧が吹けます。
口で吹く霧吹きの写真

ドライヤーで安全に乾燥

ドライヤーは必ず冷風を使いましょう。

ベンジンは空気より重たく、気化したのち机の下に流れていきます。

そのため、、ドライヤーのスイッチ操作は机の上で入れましょう。

これにより、ベンジンの引火リスクを避けられます。

作業で使用するドライヤーの写真

着物のテストは必須

着物の中には、ごく稀ですがベンジンを使用することで、色や柄が無くなってしまうものがあります。

初めて、お持ちの着物の衿を洗うときには、着用時に見えない部分(下前の衿先)でベンジンのテストを行なってください。

色落ちや柄の滲みが無いようでしたら、その着物は衿洗いしても大丈夫です。

ただし洗う部分に金彩加工や刺繍が施されている場合は要注意です。

ブラシをかけると痛むことがありますので、お勧めはしません。

まとめ

ベンジンを使った衿洗いは、注意を払うことで効果的に汚れを落とせる方法です。

どのステップとても大切です。

作業を丁寧に行なえば着物の衿を綺麗に保つ事ができます。

次回の実践編では、実際に衿を洗ってみましょう。

詳しく解説していきますのでお楽しみに!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!この動画と記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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