着物染み抜き教室・2023年11月11日
染み抜き教室のご紹介2023年11月11日
11月11日(土)、おおよそ3年ぶりにしみ抜き教室を開催しました。
ご参加いただきました皆さまの中には、呉服屋さんや、着物をお召しになる奥様のためにお越しいただいた方など、個性豊かな面々が集まりました。
今回も少人数教室ということで、和気藹々とした雰囲気で、笑いあふれる会となりました。
初回講座 ~応急処置編~
まずはお着物をお召しになった時の「やってしまった!」緊急事態を想定し、
誤った応急処置で着物を傷めないための心構えを学びます。
お着物を汚してしまった時は、とにかくなんとかしようとおしぼりで一生懸命叩いたり、
焦ってハンカチで擦って汚れを落とそうとしてしまいがちです。
緊急事態が起きた時は、まずは冷静になり、シミの成分を見極めて、適切な応急処置を施すことが大切です。
しみ抜きはしみを「つけたもの」や「つけた場所」、「お着物は何か」等、それぞれで処置が異なります。
応急処置を誤ると、綺麗にならない処置をし続けて、お着物を傷めるだけとなってしまいます。
自分でできること・できないことを見極めて、決して無理に落とそうとしないことが重要です。
今回の教室では、実際にお着物に醤油、エクレアのクリーム、抹茶、野菜ジュースを落として、それぞれの応急処置の方法をご説明させていただきました。
その他に、泥はねや雨じみ、カビの対処法、適切な保管についてなど、ご自宅でお着物を管理するうえで気を付けていただきたいことをお伝えしました。
最後に、これからお渡しするしみ抜きセットの使い方のデモも含んだ実演を行い、実践編への期待も高まります!
久しぶりの開催で時間配分を見誤り、だいぶ予定時間をオーバーしてしまいました。
衿・袖口洗い(実技教室)
まずはしみ抜きセットの使い方のレクチャーから始まります。
教室にお越しの方の中には、ベンジンの扱いが心配で使えないという方も多くいらっしゃいます。
火気厳禁であること、必ず換気しながら使うことなど、ベンジンの取り扱いに関してしっかりとご説明させて頂きました。
霧吹きの使い方、ブラシの使い方をまずは練習用の反物で実践してから、皆様にお持ちいただいたお着物にブラシを当てていきます。
皆様、衿洗いも袖口洗いも初めてだったようです。
シャカシャカシャカとリズミカルにブラシを当てるのは、緊張していると余計に難しいものです。
「簡単そうに見えたのに、実は結構たいへんですね!」
最初はおっかなびっくりで作業されていた皆様ですが、
最後には慣れて、ブラシの当て方も随分と上達されていらっしゃいました。
着物は絹製品である上に、しみ抜きに使用する道具には特殊なものも多く、金や刺繍などが施されている着物の場合、
自分でつけたシミをなんとかしたい!と思ってもなかなか洋服と同じようにはいきません。
生地を痛めない応急処置のセルフケアができるラインがここまでだという事を理解していただき、大事な着物を綺麗な状態で長くお召しいただけたらと思います。
そのセルフケアの中でも、衿袖口洗いは有効なお手入れです。
ぜひ日々のお手入れに取り入れてみてください。
ステイホームも終わり、暑さも落ち着き着物が着やすい季節になってきました。
お着物を着たいけれどメンテナンスをどうすればいいかわからない…という不安な気持ちが少しでも軽くなっていたらこれほど嬉しいことはありません。
今回の講義が少しでも皆様のお役に立てていたら幸いです。
ご参加いただいた皆さま、長い時間一日本当にお疲れ様でした!
教室のご案内
20年以上続く着物ユーザー向けの『着物染み抜き教室』と、国家検定試験を目指すプロ向けの『染色補正塾』があります。当工房代表の家田貴之は職業訓練校講師、JICA日系人社会研修講師を務め現在までに延べ3000名を超える方に受講いただいております。
教室開催地(2023年1月11日)
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