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着物のシミ抜きの重要性と基本的な考え方

着物にシミがついてしまうと、焦ってしまいがちですよね。でも、慌てて対処してしまうと、シミを悪化させてしまう可能性があります。

着物は高価で大切なものだからこそ、シミがついてしまった時こそ冷静に対応することが重要です。

それでは、シミがついた時の「応急処置の基本」として、避けるべき行動や、シミ抜きの正しい方法をご紹介します。

応急処置基本編の写真

シミ抜きの応急処置で避けるべき3つの行動

おしぼりで叩くのはNG

シミがついたとき、多くの方が「おしぼりで叩いて取ればいい」と考えがちですが、実はこれが大きな間違いです。

おしぼりを使って叩くと、シミが広がったり、生地が傷んでしまうことがあります。

特に、絹などの繊細な生地では、この行為が着物の生地を傷めてしまう原因となります。

濡れている場合は吸い取ることが大切

シミがついた直後、まずやるべきことは「吸い取る」ことです。

水分を吸い取ることで、シミが広がるのを防ぎます。

決して擦らないようにしましょう。

擦ることで、繊維が傷んだり、シミが広がったりする可能性があります。

優しく押さえるようにして吸い取るのが基本です。

熱を加えてタンパク質が固まらないようにする

タンパク質を含む飲食物(例えば、卵や牛乳など)が着物に付着すると、熱を加えることでそのタンパク質が固まります。

これがシミの原因となり、固まったシミは取れにくくなります。

特に、絹はフィブロインと呼ばれるタンパク質繊維でできているため、繊維の中でタンパク質のシミが固まると染み抜きは難しい作業となります。

作業にかかる料金も高額になる可能性があります。

シミ抜きの正しい方法と、注意点

シミがついた場合、冷静にシミを確認し、適切な方法で処理を行いましょう。

まずは、乾いたティッシュや布でシミを優しく押さえ、できるだけシミを吸い取ります。

洋服の場合は洗濯機で洗えるものが多いですが、着物の場合は絹製品が多く、そういうわけにもいきません。

応急処置は何よりも、衣類にダメージを与えないように注意しましょう。

間違った方法で処理してしまうとシミが落ちにくくなるだけでなく、直すことができなくなります。

まとめ

大切な着物を守るために知っておきたいシミ抜きの基本

現代では多くの方にとって着物は日常的に着用するものではないかもしれません。だからこそ、シミがついてしまった時にどうすれば良いか分からないことも多いものです。シミを見つけた時、焦らずに正しい処置をすることが重要です。今回ご紹介した「シミ抜きの基本」を守ることで、大切な着物を傷つけずにすみます。

シミがついてしまっても、焦らずに対応しましょう。

応急処置はあくまでも、外出時の一時凌ぎです。

私たちのようなシミ抜きの専門家であっても、普段から薬品や染み抜き道具を持ち歩いているわけではないので、外出先での染みを抜くのには限界があります。

しかし、上記のシミ抜きの基本を頭に入れておけば、いざという時でも冷静に正しい方法で対処することができます。

いったんは生地を傷つけずに応急処置をし、後日染み抜きを依頼すれば綺麗に仕上がってくるでしょう。

シミ抜きの応急処置の知識を持っておくだけで、着物をもっと大切に扱えるようになります。

動画の中で、映像と共に解説していますのでぜひご覧ください。

次回の動画では、もう一歩踏み込んだ対処法について解説いたします。

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