『着物の保管』畳紙と保護紙について
はじめに
きもの工房扇屋のYouTubeチャンネルでは、着物をもっと身近に・もっと長く楽しんでいただくために、着物修復職人の視点から“チョコッと役立つ情報”をお届けしています。今回は、着物保管の要となる「畳紙(たとうし)」と「保護紙」について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
畳紙(たとうし)とは?
- 素材:伝統的な和紙製
- 主な機能
- 湿気吸収:吸湿性があります
- ほこりガード:埃から着物を保護
- 収納時の利便性:衣装箱や衣装棚で重ねたときに滑りがよく、取り出しやすい

茶色く変色したら交換サイン
- 変色のメカニズム:湿気を吸い込むことで、和紙が徐々に薄茶色に
- 交換タイミング:
- 補完状態にもよるので一概に云えませんが、衣替えのタイミングでチェックしましょう
- 明らかな変色・カビにおいがあれば即交換
- 放置のリスク:湿気を帯びたまま使い続けると、紙自体が変色し、着物にシミやカビを誘発します。

保護紙の重要な役割
- 何をする紙?
- 刺繍部分や折り目に挟んで、立体感を守る
- 金彩加工のトラブル防止
- 運搬時の布ずれを防ぎ、シワの発生を抑制
- 注意点:保護紙も湿気を吸収するため、長期保管前には必ず状態を見直し、必要なら新調しましょう。
- 刺繍や金彩加工がない場合や、何枚もの着物を重ねて保管しない場合は保護紙を取り除いても問題ありません。
長期保管のコツ
- 畳紙と保護紙を同時交換:変色やカビ臭を感じたら、両方をまとめて交換すると効果的。
- 保管場所の選び方:直射日光、高温多湿を避け適切な場所で保管してください。以下の収納記事を確認ください。
- 風通しタイム:季節ごとに一度、包み紙を外して軽く風を通すだけでリフレッシュ。
まとめ
- アドバイス:畳紙と保護紙は“消耗品”です。衣替えのタイミングで必ず確認して問題がある様なら交換しましょう。
- 正しい包み紙を使い分けることで、大切な一枚をいつまでも美しく保てます。
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