着物のシミ抜き実践編ー小さなシミも怖くない、正しい応急処置法(着物チョコッと雑学・YouTube)

着物を着た時、「シミをつけてしまった…」という経験はありませんか?しかし、正しい応急処置を覚えていれば、精神的にも物理的にも「大丈夫!」と思えるようになります。

水性のシミ、油性のシミの違いを知ろう

シミには大きく分けて「水溶性」と「油性」の2種類があります。それぞれの特徴を知っておくことが、適切な応急処置の第一歩です。

  • 水溶性のシミ
    • 特徴:水に溶けやすい
    • 例:醤油、日本酒、ジュース、血液など
    • 応急処置のポイント:水を使って対処できる場合が多い
  • 油性のシミ
    • 特徴:水に溶けない
    • 例:ケーキ、口紅、ファンデーションなど
    • 応急処置のポイント:水で落とすのが難しく、溶剤や洗剤の使用と専門的な処置が必要

水溶性のシミの代表例【醤油のシミ】応急処置を解説します。

ステップ1:シミを吸い取る

  1. シミの水分を吸い取る
    • 絶対に叩いたり擦ったりしないこと。
    • シミが吸い取る紙に移らなくなるまで、繰り返します。
    • 水や色の薄いシミは、この段階でほとんど目立たなくなることもあります。

ステップ2:水を使ってシミを薄める

  1. シミの下に、乾いたティッシュやキッチンペーパーを厚めに敷きます。
    • 『厚め』に敷くのが重要です。
  2. ティッシュを畳んで水を含ませ、軽く絞ります。
    • 水が滴らない程度に濡らしてください。
  3. 水を含ませたティッシュを、下に敷いた乾いた紙に優しく押し当てるように、シミを押さえます。
    • 擦らずに、水分を移すイメージで。
  4. 醤油の色が薄くなるまで、2~3回繰り返します。

ステップ3:水分を吸い取る

  1. ステップ1と同様に、乾いたティッシュやキッチンペーパーで水分を優しく挟んで吸い取ります。
  2. 乾いたものと手の温度で1分ほど押さえると、早く乾きます。

これで、醤油のシミはかなり目立たなくなります。

【実践編】油性シミの応急処置:ケーキのシミを例に解説

ここでは、油性シミの代表例として、ケーキのクリームのシミを例に、応急処置の方法を解説します。
用意するものは、ティッシュペーパーやキッチンペーパーなどの、乾いた吸水性の高い素材です。
絶対に水は使用しないでください。

ステップ1:シミを広げないための初期対応

  1. シミがついた箇所を、布目に沿って縦に、ティッシュで優しく摘むように拭き取ります。
    • 絶対に生地を摘む、横方向に力を加える事や擦ったりしないでください。
      繊維が傷つく原因になります。
  2. シミを落とそうと焦って、強く拭き取ろうとするのはNGです。
    • あくまでも、表面についた汚れをそっと取り除くイメージで。

ステップ2:吸油性の高い素材で油分を吸い取る

  1. シミの下に乾いたティッシュペーパーやキッチンペーパーを入れます。
    • シミの範囲よりも少し広めに敷きましょう。
  2. 上から乾いたティッシュで軽く押さえるようにして、油分を吸い取ります。
    • ここでも、絶対に擦らないように注意してください。
    • 吸い取る紙に、油分が付かなくなったら、一旦終了しましょう。

ステップ3:応急処置後の注意点

  1. 油性のシミは、溶剤や洗剤が必要
  2. 無理に自分で落とそうとすると、かえってシミを悪化させる可能性があるので、シミ抜き屋へ任せよう。
  3. 応急処置後は、できるだけ早く相談してください。

応急処置でシミが目立たなくなっても、安心は禁物

写真撮影は、後日のシミ抜きをスムーズにし、大切な着物を長く綺麗に保つための重要なポイントです。

水溶性のシミの場合、応急処置でシミがが分からなくなってしまうと、後日シミ抜きに出す際に、正確な処置が難しくなります。

結果として、数年後シミを処置した部分が変色し、落ちにくくなったり、漂白や色差しなどの追加処置が必要になり、高額な費用がかかってしまうことも。

シミの付いた箇所を、スマートフォンで撮影しておく事をお勧めします。

まとめ:着物シミ応急処置は、焦らず丁寧に

着物のシミは、慌てずに正しい応急処置をすれば、最小限のダメージに抑えることができます。

水性のシミには水を使った応急処置、油性のシミには乾いたティッシュでの処置を。

シミの箇所の写真撮影を忘れずに!

そして、何よりも大切なのは、シミを放置せずに、早めにプロに相談することです。

今回の記事が、皆様の着物ライフのお役に立てれば嬉しいです。

もし、シミがついてしまった際は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

そして、何よりも、着物を着る際は楽しむことを忘れないでください。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

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