「結婚式の母の装い|留袖の準備と確認ポイントを着物専門家が解説!」
はじめに
結婚式が決まったら、母としての装いも気になりますよね。
「母から譲り受けた黒留袖があるけれど、これを着て大丈夫?」
今回はそんな疑問をお持ちのお母さまへ向けて、着物修復のプロの視点から、準備の手順とチェックすべきポイントを解説します。
まずはタンスから!留袖一式の確認を
準備の第一歩は、ご自宅にある留袖の確認から始まります。
以下のアイテムが揃っているか確認しましょう。
- 黒留袖(比翼仕立て)
- 礼装用の袋帯(金糸・銀糸がおすすめ)
- 白の長襦袢、白無地の半衿
- 白系の帯揚げ・帯締め(金銀柄や絞りも可)
- 白や金銀の草履とバッグ
- 末広(黒塗りの骨+金銀の地紙)
- 白足袋、肌着、腰紐、衿芯などの着付け道具
意外と「あると思っていたのに無かった!」という小物もあるので、早めにチェックしておきましょう。

留袖の状態チェックポイント
着物は見た目がきれいでも、内部に劣化がある場合も。次の5つのポイントを確認しましょう。
- 家紋:家紋が正しいか、滲みや変色がないか
- 柄や刺繍:金彩のはがれや刺繍糸の抜けがないか
- カビ:白い斑点や変色、湿気の痕跡
- 匂い:保管臭や防虫剤の強い匂い
- サイズ:着用者の体型に合っているか

30年以上前の留袖は要注意!仕立て直しの可能性も
長年タンスに眠っていた着物は、縫い糸や裏地が劣化していることがあります。
この場合、「洗い張り」と呼ばれる反物状態に戻して洗い、仕立て直す工程が必要です。
▶️所要期間:4〜6ヶ月
▶️症状例:黒色の変色、ヒヨクのシミ、縫い糸の劣化

状態が良ければクリーニングへ
サイズが合い、シミやカビもなければ、着用2ヶ月前までに丸洗い(クリーニング)へ出しましょう。
匂いや折ジワが取れ、当日は美しい着姿に仕上がります。

着付け師さんや式場との連携も大切
・いつまでに持ち込むか?
・小物がすべて揃っているか?
こういった確認を、式場や美容室の着付け師さんに事前にお願いしておくと、当日も安心です。

まとめ
母が結婚式で着る留袖には、世代を超えた「想い」が込められています。
その一着を美しく着こなすためには、早めの確認と準備が何より大切です。
- まずはタンスから取り出して確認を
- 5つのチェックポイントを見逃さずに
- 状態により仕立て直しやクリーニングを
- 式場との連携で当日もスムーズに
アドバイス:
「大丈夫かな?」と思った時点で、専門家に相談してみるのが安心です。手を加えれば、古い着物もまた美しく蘇ります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
素敵な結婚式になりますよう、心から願っております。
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